トーキョー・スカルプチャー
・プロジェクト

2027年ミュンスターへの旅

ナビゲーター

居間 theater[東彩織、稲継美保、宮武亜季、山崎朋]パフォーマンスプロジェクト

佐藤慎也建築家、日本大学理工学部建築学科教授

メンバー
  • 内堀律子俳優
  • 小野美幸会社員
  • 柏原瑚子大学生(美術史・視覚文化)
  • 小池陽子ダンサー・振付家
  • 齋藤千春大学生(地理学)
  • 酒井七瀬大学院生(建築学)
  • 篠崎徳光役者
  • 髙橋ひかる大学院生(建築学)
  • 成澤茉由大学院生(建築学)
  • 西島慧子大学職員・研究者(建築学科)・アートマネジメント
  • 野口萌々音大学生(経営学)
  • 藤城滉俊大学院生(建築学)
  • 藤田麻衣タイル制作など
  • 松野麗大学院生(建築)
運営スタッフ

堀切梨奈子日本大学理工学部建築学科 助手

冨田了平フォトグラファー/ビデオグラファー

スタディマネージャー

大内伸輔アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー

村上愛佳アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー

2020.8

8.21(金)

第0回

【スタディ2】ナビゲーター/スタディマネージャーからのメッセージ

1/2

スタディ2「トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト―2027年ミュンスターへの旅」では、ナビゲーターを居間 theaterと佐藤慎也さん、スタディマネージャーを大内伸輔と村上愛佳が務めます。このスタディでは、「パフォーマンス」という視点を持ちながら、実際に手や頭や身体を動かして作品を「つくる」実践を重ねます。 活動をスタートしていくにあたって、それぞれからのメッセージを掲載。ぜひご覧ください。

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2020.9

9.2(水)

第1回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』にむけて

1/8

スタディ2の3年目が総勢23人でスタート。ナビゲーターからのプレゼンテーションでは、スタディ2のこれまでの活動変遷や、『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』に込められた「ミュンスター彫刻プロジェクトのその先を考えたい」という気持ち、今年のスタディでは「つくっているひとと話したり、小さいワークショップのなかで生まれる言語から、作品をたちあげてみたい」というメッセージが伝えられた。

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チームをつくりながら、東京で何かをつくるとしたら、という視点で発見していければと思います。

ROOM302を使う時は必ず検温、お願いします。

アートプロジェクトへの興味の延長で、2017年にドイツのミュンスターというまちの芸術祭を見に行ったことからこのスタディが始まっています。

これまではリサーチやディスカッションが主なスタディでしたが、今年はゲストアーティストと一緒に考え、実践をしていきたいと思っています。

「劇場でない場所にパフォーマンスをどのようにインストールできるか」と「生活の中にあるふるまいをパフォーマンスと呼べるのでは」という興味がドッキングすると、変なことがおこるのではということを考えています。

『パフォーマンスカフェ』という作品は、カフェがカフェであることを維持しながら、パフォーマンスを見ることができる場所にもできないかという実験をしました。

興味や手法は色々変わっていますが、何か一貫してるものもあると思いつつ。

9.27(水)

第2回

場所:ユートリヤ すみだ学習生涯学習センター

すみだ向島EXPO 2020をめぐる

1/12

居間 theaterが出展しているすみだ向島EXPO 2020を3〜4人のグループにわかれて見学。夜には代表の後藤大輝さんと芸術監督の北川貴好さんをゲストに招いてのアフタートークも開催。居間 theaterの《だれかの いま/シアター》と北川さんの《宿の家》について話をすすめるうちに明らかになった両者の時間感覚の違いは、美術と演劇におけるパフォーマンスの違いを考えるための糸口のようでもあった。

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長屋のことを説明してくれた人が「ここは人によっては何故か戸が開かずに中に入ることができないんです。家が人を選ぶんですよ」という言葉が印象に残りました。人が家を選ぶのではなく、家が人を選ぶ。不気味ながら新鮮な発想でした。

長屋の傾いた2階から見える外の景色、無造作に生えている植物、壁にピッタリとはまっているタンス。作品自体よりも、長屋という建築自体が記憶に残ったように思う。

旧邸稽古場の中庭でフォーをいただきました。中庭を囲む住宅に住む人の集いの場になり、コミュニティが生れる空間になっていました。

台本を読みながら「演じながら」客席の隅々まで劇場の隅々までしっかり体感することができた。役になりきり体験するおもしろさとあの空間が丸ごと自分だけのものになり何度か体験したいパフォーマンスでした。

居間 theaterのことは、パフォーマンスでもなく、インスタレーションでもない佇まいがおもしろいと思っていた。

居間 theaterの作品は小倉屋という場所を、僕自身が噛み締めることができた。この建物が生活の中でどう残っていくか、何を新しくしていけばよいのか。そんなことを考えさせてくれた。

他の人がコロナについてどう思っていたか、たまたま選んだテープから亡霊みたいなものと出会えることは、想定していなくて、印象的でよかった。

向島で制作していて、まちのことをわかっている人。そんな人がどうやって向島を捉えて、制作しているのか紹介したかった。

2020.10

10.18(日)

第3回

場所:アーツカウンシル東京会議室

空想地図をつくりながらつかむ都市のリアリティ

1/15

いよいよゲストを招いてのワークショップがスタート。今回のゲストは空想地図作家の今和泉隆行(通称:地理人)さん。地理人さんのつくる『空想地図』は、実在しそうだけれど実在しない都市(=空想都市)の地図。地理人さんのレクチャーを聞いた後に思い思いの空想地図を作成したり、地図を読み込んだり、空想都市での暮らしや芸術祭を想像することを通して、地図をきっかけに立ち上がる(目線で見えている都市とは異なる)都市の特徴に思いを巡らせた。

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空想地図を描くことは、おままごとやごっこあそびに近い。馴染みのある表現手段(地図)で、馴染みのあるモチーフ(都市)を表現すること。あえて自分の手で再現することで何かをつかむこと。

実在の地図には事実があるから想像の余地がないが、空想地図は検索しても事実が出てこない。想像でしか入れない。

水上都市にあこがれがあって、真ん中に水を通した。市民がたちよれる森。きれいな水辺には観光客は来ず、まちの人が遊ぶ場所。昼間はカヌーに乗る。

渋谷を迷わない完璧なまちに再構築しようと、渋谷だけを素材につくった。駅から全て徒歩10分のイメージ。かえってダンジョンを生み出してしまった。

重力がない、映画『インセプション』の世界。風景としての水なので、水はゼラチンで固めてあるようなものでもいい。みなさんにも1回くらい入ってもらいたい。

水路はまっすぐなのに、道路がまがり、水上都市のような場所もある。すっと消える線路や道路が異世界の入り口みたい。

みんなでひとつの地図を見ながら、そのまちのことや、そこで芸術祭をやるならどんなことができるのかとか。あーだこーだ言ってみたい。

駅から川は歩いて10〜15分くらい。駅前から川まではほとんど平たい。駅前の人がめっちゃいるところ、イベント何できる? お店も営業中で、空きテナントとかはないと思う。

期間中は橋が通れないとか、最終日にしか通れない、対岸からしか鑑賞できない、とか。橋への仕掛けが欲しい。

あえて地図で見たときに、目線で見えてることの周りや特徴が地図にはある。ということが伝わっているといいなと思います。

10.23(金)

10.25(日)

第4回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)、江戸東京博物館

“それ”以外をリサーチして、つくる

1/28

ダンサー・振付家・演出家のトチアキタイヨウさんをゲストに招いての3日間のワークショップ。「リサーチの目的は、今はまだ焦点が合わなかったり輪郭がとらえられない物事を予感すること」「焦点をあてたい“それ”以外をどうやってとらえることができるのか」というトチアキさんと居心地の良い場所や目的のないものを探しながら、“それ”以外に目を向けることについて考えたり、試したり、小さな作品をつくってみる3日間となった。

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パフォーマンスをしようかな。

何を見ていましたか? どこを、でもいいです。何かを思いだしたりしましたか? その瞬間に何を思っていたかってよくわかっていなくて、後から思いだすことを大事にしたりしてます。

何かをつくるとき、ここにあるのは目のやり場くらいで、それ以外のすべてが大事なんだろうな、ということを10年くらいやっています。踊ることによって、動くもの、動かないもの、並んでいるもの、変わっていくことを見つけていければいいと思っています。

自分ではちょっと違うなと思ってるけど、他の人に興味を持たれることってあります。そのギャップが、自分でテーマを見つけるのに大事なんじゃないかと思うんです。

自分の言葉だけだとかたちが見えてこないけど、透明人間にお湯をかけると何かが見えるような感じ。作品制作の過程として、テーマに関して関係ありそうで、できるだけ遠いことをいろいろやってみる。リサーチから作品をつくりながら、テーマを深めていく。

じっと構えていると見えないと思う。フォーカスを合わせているところのものは焦点があってよく見えるけど、それ以外をどうやって撮れるか。今はまだ焦点が合わなかったり、輪郭がとらえられないような物事を、予感したい。

幽体離脱したことありますか。硬いものを枕にして寝ると、金縛りにあえるらしいんです。

会議室は情報が整理されていて、まちは情報がいっぱいある。自分のなかに目的がなくて、無目的に過ごそうと思っても情報を気にしてしまう。三角のオブジェは、国技館のかたちとおなじだな、とか。自分以外のものをどうとらえるのかが難しい。

写真を撮っていたらじろじろ見られて、疎外感があった。白菜を買って持っていたら、白菜パワーで見られなくなったり。江戸博に戻ったら見られたり。

目的のないものを探すために、ストーリーを探しがちだと思った。目的のない思考ってあるのか考えた。

みんなを探しにいったら、居心地がいい状態に入っていると風景と一体化してて、存在感が消えて見つけるのが難しかった。

印象に残ったことから、明日は何かを置き換えたり、入れ替えてみたり、試してみましょう。

小さくつくる、かたちにする、をやってみましょう。居心地の良い場所の周りをひとつ何かかたちにしましょう。

置き換えていく、広げる、なかに入れる、とかやってみると、大事な部分が見えてくると思います。

10.28(水)

第5回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“つくること”への思考を広げる振り返り回

1/12

これまでのスタディを“つくること”をキーワードに振り返る。つくることとは何か、つくることによって生まれる作品とは何なのか、作品がもつエネルギーや暴力性との向き合い方・考え方、つくるときの手の動かし方や原動力...この2週間のワークショップでの体験もふまえながら、“つくること”について、思考を広げた。

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つくることにおいて、何が引っかかるのか、どういうことなのか、疑問に思っているのかをざっくばらんに話し合いたい。

作品の線引きがわからない。つくる人が作品とする時も、見る人が作品とする時もある。自分の作品は「趣味ですか?」と聞かれ、「いいえ作品です!」と返すことがある。作品って何か、曖昧で難しいなと思う。

評価されると、他者からも作品として認識されるようになる。でも、自分だけ作品と思っていれば、作品ではある。

何かを手を加えて出す時点で、何かしらの力はかかっている。責任はとれるか、消費してないか、を考えないのはまずい。一方で、「力が働いちゃうから何もしない」と、何も起こらない。

暴力といっても、関係性をつくる段階での暴力と、見せる段階での暴力は違うのかな、と思う。

「過剰な暴力」に対して、「欠落している(成立していない)暴力」もある。

恒久設置は拒まれ、一時的にならば受け入れられる、ということもあると思う。

10.31(土)

11.7(土)

第6回

場所:アーツカウンシル東京

一方的に音を受け取る“手段”を考える

1/17

良い音を出すというよりも「音が鳴ったり、聞こえることの背後に何があるか」を考え作品制作をしているという、アーティストの大和田俊さんをゲストに招いてのワークショップ。テーマは「ふたりで音を交換し、音を一方的に受け取るための“手段”を考える」こと。ワークショップの最後は「日常に戻ったとき、みんな、生物としての状態が変わって音を聞いていると思います」という大和田さんの言葉で締め括られた。

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作品をつくって、きちんとコメントしたい。つくって終わるのは良くないので、もって帰れるような「考え方」を話せるといい。

音を使う方法ではなく、鳴ったり、聞こえること、聞こえないこと、について考えている。制作を進める時は音と関係ないことを考えている。音がある前から、音のことをどうやって考えるか。音が鳴る背後に何があるのか。

聞こえてるものが全てだけど、その背後にあるものがいっぱいあって、その薄い境目が気になっている。ふたりでペアを組んで、音を交換して、相手からの音を「一方的に受け取る」ことを考えてみたい。

自分がつくる時はこういう、課題を解くような答え方はしないけど、普段やっていることから問いを抽出することはできるので、今回はした。なぜか与えられてしまったこの問いを、勝手に受け取って欲しい。課題も質問を受けながら改造していきましょう。

「一方的に」ということばが難しい。どういうことなんだろう。

交換した音を、音でアウトプットするというのは堂々巡りになりそうで、どうやって考えたらいいのだろう。

「音」を交換して、勝手に知覚する方法を開発するってことですよね。

そのためには生物としての状態を変える必要がある。条件はあまり細かく設定しないで、プレゼンを終えることができればいい。アートなので、報告はしないで欲しい。実現できそうで、クリエイティブなことをやって欲しい。一方的に受け取ることを、真に受けて欲しい。

全員が、音について違うことをやってきたことがおもしろいし、それが普通。日常に戻って「聞く」行為にもどった時、みんな違って聞いていると思う。生命の状態が変わっている、ということが大事だと思います。

みんなが今回の僕の問いに答えられることが不思議だった。一回、日常に戻った時にどう感じるか、が大事だと思う。やったことについて話すことは誰でもできるし、もち帰るものがあるといいなと思います。

2020.11

11.11(水)

第7回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“問い”をひらく・“トーキョー”を想う

1/10

「ワークで経験した“つくること”から各々の “問い”を抽出し、メンバーに共有する」という手法での振り返り。ナビゲーターの佐藤から「今後『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』がどう進んでいったらおもしろくなりそうか」と大きな問いが投げかけられると、“スカルプチャー(=作品・つくること)"だけでなく、“チームで取り組むプロジェクト(=問いをひらく)”や“トーキョー”についてじっくりと話す機会となった。

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みんなの抽出した問いを、どうやって他者とシェアしていけるかを考えてみたい。それから、今後のスタディが大きくどう進んでいったらおもしろそうか、という話をしたい。

生活のなかで、自分が動詞から出している認識してない音を抽出してみたい。椅子がずれる音、歩く音、お箸とお茶碗が擦れる音。動詞から出している音の、動詞の前にくるものは何だろう。

ワークでは意識するためにたくさんのことをやった。じゃあ、どこが無意識なんだろう? その境目は?どこが無意識かを思う時点で、意識してしまっていて。そこのジレンマがおもしろい。

最終的にはスタディ2というアーティストのチームとして、ミュンスターを見据えた作品(=スカルプチャー)を考えたい。チームとして考える時には、プロジェクトをひらくという感覚があると思う。「トーキョー」を扱うためにはリサーチが必要。

1、2年目は通り過ぎてるものを二度見するような2年間だったと思うけど、3年目の所作は変わるのだろうか?

東京を好きになりたい。

2020.11.14(土)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会1

8月からスタディ1も含め3つのスタディが始動し、参加者たちとナビゲーターが共に活動を行ってきた。共有会1では、半年間の折り返しとなるこのタイミングで、それぞれの活動を共有。参加者はオンラインで、ナビゲーターとスタマネはSTUDIO302に集合し、各スタディらしく活動を紹介した。

2020.12

12.11(金)

12.13(日)

第8回

場所:12月11日(金)ROOM302(アーツ千代田3331)/12日(土)竹の塚〜北千住 /13日(日)アーツカウンシル東京

デートをして、シナリオを書き、上演してみる

1/22

「テーマにしようとしているわけではないが、人がかかわろうとしているところを作品にすることが多い」というアーティストの友政麻理子さんをゲストに招いて3日間のワーク。友政さんが最近興味があるというデートについて、調べ、話し、実際にデートに出かけ、シナリオを書き、さまざまな手法で取り組んだ。最終日には各々が書いたシナリオを全員で即興的に上演し、しだいにスタディメンバーのなかには不思議な一体感が生まれていった。

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自粛前期間から誰かに会ってどこかに行くことに興味があって、デートについて考えていました。コロナ禍も挟んで、人が人を連れ立ってどこかに行くこと、デートって何かを考えたいと思っています。

明日は、何も考えずに普通に、デートをしてみたいと思います。元渕江公園の入口にある銅像の前に13時に集合して、くじ引きで決めたふたり組でデートをしてもらい、夜、北千住で再集合します。

緩やかに、再集合場所を目指してください。時間の使い方や行き方の指定はないです。

デート初心者なのでコツとかはわからないんですけど、良いデートを目指しましょう! 行ってらっしゃい〜

生物園をじっくり見た後、バスで北千住へ。ご飯を食べようと、20分くらい並んでいる間には何を頼もうか相談していました。パートナーはずっとニコニコしていて、男子だったら好きになっちゃうと思って。デートにまつわる話をしながらデートしていた感じです。

公園のベンチでお話ししてたら2時間くらい経っていました。パートナーはこの後、彼氏と本物のデートに行くらしく、冷えても良くないからと喫茶店に行くことになったんです。調べようと思ったら「通り道にあるのでいいです」と言われたり、迷子になってしまったら「新しいまちを歩けて楽しいです」と言われてキュンとしました。

駅前のスーパーでアツアツの焼き芋を買ったけど、食べるロケーションにこだわりすぎて、結局食べることができませんでした。いまはもう冷めちゃいました。デートっぽい写真、無理して撮るのも良くないね、となって、結局撮らなかったです。

デートはRomantic Appointment とも言うらしいと教えてもらいました。パートナーは「約束していないしロマンティックではないからデートじゃないね」と言ったけど、僕は前日ドキドキしていたからデートだと思いました。

最終日は、今日までのことを参考にしてデートをテーマに、他の人が演じることを前提としたシナリオをつくって欲しいです。このワークの作品はシナリオだけど、シナリオを居間 theaterのノウハウで上演してみるところまでやりたいと思います。

シチュエーションごとにAとBのペアが変わっていく、10人でやるシナリオです。別れ際について考えています。

演じる人に起きた変化を見たいと思って書いた、設定だけがあるシナリオです。昨日、スタディでデートした後に彼氏とデートしたら、ちょっと悪いことしてる気分になって。罪悪感の振り幅が人によって違うと思いました。演じる人にも観る人にも、罪悪感やざわざわ感を感じて欲しいと思います。

じゃあ、上演してみましょう。演者でない人も、美術とか照明とか、お願いします。カメラのコード持っていてくれる人、募集してます。

3日間でデートについて色々考えて、勉強になりました。私がやっている映画サークルにもぜひ参加してください!

12.16(水)

第9回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“デート”の振り返りと最後のクリエイションに向けて

1/6

友政さんとのワークの振り返りでは“デート”というテーマに色々な手法で取り組んだからこその気付きや問いが交わされた。後半にはナビゲーターから、年明けに行う最後のクリエイションのふたつの目標「体験・鑑賞してもらう作品を、自分自身が興味のあるテーマに触れながら自覚的につくる」「パフォーマンスをしている(演じたり、ふるまいに自覚的になる)状態をつくる」と、クリエイションにおける共通のテーマとして、(フィクションの)“検査”が提示された。

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今日は、友政さんとのワークを振り返りつつ、1月のクリエイションの相談をしたいと思います。まずは振り返りから。どうでしたか?

「デート」って言葉をこんなにたくさん言ったことはなくて、いままで使った回数を超えてしまったし、一生分言ってしまった気がする。自分が書いたシナリオが上演されるのは、すごく恥ずかしいなと思いました。

デートのいい思い出がないし、嫌なイメージしかなかったけど、Romantic Appointmentと言われるとファンタジーな感じがするし、「ポ」の音がかわいい。

「デート」は手垢がつきすぎてる言葉だけど、言葉を新しくすると面白いのかも。

誰かのシナリオを演じているうちに、自分がその人に感情移入できた感覚があった。シナリオの作者の気まずさをどんどん感じてきていた。

2日目の“デートごっこ”というフィクションを経験して書かれたフィクションのシナリオが、上演されると演じた人のリアルになっているようでおもしろい。

友政さんの目力がすごかった。おもしろく人のことを知ろうとしていると思った。

上演をしているうちに気がついたら一体感が生まれ、みんな何かの役割を持っているのがすごく面白かった。

次は1月に居間 theaterと“何か”をやって、今年度のスタディは終わりです。

最終的にやりたいのは、人に体験・鑑賞してもらう作品を自分自身が興味のあるテーマやひっかかることに触れながら自覚的につくることと、パフォーマンスをしている状態をつくること。それぞれの興味から小さな作品がありながら、全体がひとつの大きな作品になるような形式をイメージしています。

演じるきっかけとして「検査」をテーマにしたいと思います。このご時世で検査は誰もがドキッとする言葉だけど、空港の手荷物検査や水質検査など、無限に読み解けます。違う印象をうける言葉でありながら、よく使われる言葉で、ふるまいのバリエーションがあると思います。

年内にアイデアを出してください。パフォーマンスでもいいし、ものをつくってもいいです。シナリオを書いて誰かに演じてもらうのもいいし、複数人でつくってもいい。年明けに、ナビゲーターと相談しましょう。

行為としては「検査」をするけど、検査をして白黒つけてもいいし、よくわからない答えが導き出されてもいいです。

これまでの4回のワークは、短期的に個別につくったけれど、最後の1回は居間 theaterにアイデアを共有してもらった上で全体のディレクションをしていく予定なので、そこがちょっと違うかもしれません。

全体のディレクションは、みなさんからのアイデアが出てきてから考えます。「検査」はあくまで考えるきっかけで、いままでやってきたことを各々振り返って欲しいなと思います。年末までにアイデアを投げてください。誰かに協力してもらいたいときは、オファーも年内くらいに。

良いお年を~!

2021.1.31(日)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会2

各スタディとも終盤に差しかかったところで、2回目の共有会をオンラインで開催。ナビゲーターから、活動の内容や、メンバーで議論するなかで見い出した課題について発表した。スタディメンバーも登場し、それぞれの問題意識や制作している成果物について語った。
3つのスタディに共通して、「出会い」や「コミュニケーション」というキーワードが出てきたことから、コロナ禍である現在の状況に対して、それぞれが応答を試みていることがわかった。

1.22(金)

3.7(日)

クリエイション

場所:オンライン、ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

変化する社会状況の中でつくる

1/5

会場に訪れたお客さんに“検査”を体験してもらうことを前提に始まった最後のクリエイションだが、2021年1月8日の東京都への緊急事態宣言発出を受け、“対面”での活動と発表ができないことに。その状況下でもつくることはやめず、社会状況と共存しながらできることを考えていくため、“検査”というフィクションに“郵送”という手段を共通テーマとして加え、“非対面”での本番として『パフォーマンス検査(キット)』が開催された。

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緊急事態宣言発出後に新たな動きがあり、創作・稽古・本番全て対面はNGになり、現状の、部屋を分けて鑑賞者と非対面の作品をつくるプランも難しいと判断し、1月の本番の発表は中止にします。しかし最後の創作はやめたくないので、創作は全てオンラインで行い、2〜3月にかけて創作・発表を目指します。いま考えていることをベースに新たな形態を考えて、おもしろいものを作りましょう!

お客さんと対面できないという距離があるので、「検査キットを送る」という大枠としたいと思います。お客さんには、3月に何日かにわけて、封筒や箱で「検査キット」が送られてくるようにしたいと思います。

郵送する期間をだらだらと続く「上演」であり、検査という名目で色々なことが起こると捉えることで、みんながつくるひとつひとつは個人戦だけど、作品全体としては団体戦と考えられないかと。お客さんは、送られてきたものをやってもやらなくてもいい、ということをどう考えるか?

ネットにあるpdfでもデータでもなく、送られてくる郵送物がスカルプチャーで、それが上演になっているようにしてみたい。

言語レベルだとHOW TOになってしまうので、スカルプチャー的な表現をして解釈が受け手に委ねられる方がおもしろいかも。大事な問題を言語化すると共有できるけど、言語で解決しようとすると、言語の沼におちる気がする。

興味に対して、個人的な感覚だけでつくると、わかる・わからないで終わるし、社会的なものだけでつくると、説教くさくなったりするから、個人的な感覚と社会的な感覚の両方を入れることができるといいと思うんです。

日々作業と思考、おつかれさまです!それぞれのアウトプットがだんだん見えてきました。バリエーションが豊かでおもしろそうです!残りの制作日も少なくなってきて、それぞれの進み具合など、よければ現状をSlackで共有してください!

3.8(月)

3.20(土)

郵送上演

『パフォーマンス検査(キット)』

1/3

「トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト ―2027年ミュンスターへの旅」の成果発表 として『パフォーマンス検査(キット)』の郵送上演を行った。メンバーとナビゲーターで議論を重ねながら「つくる」ことをテーマにスタディをおこなってきた。 作品をつくるための種を探す。かたちにしてみる。どんな目線で、何の・誰のために、どんな態度でつくるか考える。そういった小さな作業を重ねた半年の成果が、一般募集と関係者を合わせた40名に届けられた。

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その後の活動

4.17(土)

振り返り回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

上演時間をつなぎあわせるような最後の振り返り

1/8

“つくる”ことの後に恒例となった振り返り回。『パフォーマンス検査(キット)』を終えたスタディメンバーは作者として、お客さんとして、両方の立場からの思考や出来事、気づきを振り返り、作者とお客さんが時間と空間を共有することができなかった作品の、それぞれの上演時間をつなぎ合わせるようなやりとりにも感じられた。ここで、東京プロジェクトスタディとしての『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』は一区切りを迎えた。

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4日ぶりに自宅に帰ったら、いっぱい手紙、届いてましたー!

17人くらい返信がかえってきました。性別も年齢も書いてもらってないので、どんな人が書いているかわからなくて、返ってきた「目」だけをみているのがおもしろかったです。「目」を集めてお花見をしている絵を描いたので、またお客さんに送ろうと思います。

宛先がアメリカのものが1つあって、まだ届いていないみたいです。大阪の港についたあとは音信不通です。居間 theaterは、12通をいろんな方法で送ったので、郵送する手段にとっても詳しくなりました。

郵送されてきたものって一方的に受け取ることが多かったけど、今回は送り返す行為がいくつもあったのが新鮮でした。

こちらから送るときはAmazonスタイルで、お客さんが送り返してくれるときはメルカリスタイルだと感じました。

パフォーマンスをやる上演空間とか展示空間ってあたりまえにお客さんが目の前にいて、パフォーマーも演じながらお客さんを観れるけど、それができないから、今回の作品の上演空間はどこなんだろう、どう切り取るとパフォーマンスと呼びうるのかな、と思いました。

顔は見えないけど相手がいるっていうのがパフォーマンス的なところだと思う。美術館で絵画をみてもらうのとは違う相手。パフォーマンスをするときに目の前にいるのとは別の相手がいるんだと思う。

この1年間、小さい「つくる」をかさねるなかで、一緒にさまよってもらえてよかったです。その場で考え、感じて、やってみることをしたり、この状況だからこそ立ち止まって考えられる時間だったと思います。

スタディはこれでおわりで、これからは『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』という任意のサークルです。もしよければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。

7.30(金)

スタディの3年間の活動をまとめた冊子が完成!

1/5

ドイツの芸術祭「ミュンスター彫刻プロジェクト」を考えることから始まったこのスタディ2は、彫刻、公共、東京、美術/演劇、などのキーワードを元に2018年から3年間実施しました。スタディの集大成として、活動の流れとそのなかで交わされたことば、そして活動のなかで生まれたさまざまな問いを記録した冊子を制作しました。

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“東京で何かを「つくる」としたら”という投げかけに対して行われた、
さまざまなスタディ(勉強、調査、研究、試作)の記録です

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