2019.2.17 (日)

第6回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

メンバーに対して“聞く”

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いよいよ迎えた最後の定例活動日。瀬尾夏美は「前回発表したように、かたつむりというラボを使って誰かの話を聞きに行くことはできたと思う。しかし、今回このスタディを続けてきた中で直面したのは、東京で話を聞くこと、語ることの困難さだった。それは話を聞きに行く時間を確保することや、場所を設けることの難しさが理由だと感じた」と、この半年を振り返りながら課題を整理。その上で、このラボには何かしらのもやもやを抱え、場を求めていた人たちがメンバーとして集ってきているように見えたと述べた。ならば、その一人ひとりの“個”の問題や関心を抽象化すると現在の「東京像」が見えてくるのではないか。瀬尾はそう問いを立てて、メンバー一人ひとりに話を聞くという、これまでの形式とは逆のスタイルを取ることに。
別室に順番にメンバーを呼び出し、瀬尾が話を聞いているあいだ、他のメンバーたちは同時に、翌週に迫った報告会の内容や、スタディ期間が終わっても、このかたつむりというラボが活動をできるとしたらどのような形があり得るだろうかという議論を重ねた。
これまでは全員の視線が集まるようにホワイトボードを立てて、それに板書を行っていたが、テーブルを裏返すとホワイトボードとしても使えることが分かり、この日は試しにお互いに視線を交わしながら目の前でメモを取るようにしてみたところ、よりメンバー同士の距離が近くなった印象を受けた。

報告会は、当初いつも使っているこのROOM302のテーブルを会場に運んで、いつもの活動日を再現するようなことも検討したが、最終的に小屋竜平によるこれまでのラボの振り返り、瀬尾によるラボのメンバー紹介、そのメンバー紹介をどのように聞いたかを自由に話す時間、この三つで構成することに。この日、瀬尾が聞いたラボのメンバーの話をもとに、メンバー紹介のテキストを構成するということも決定した。
また次年度以降の活動のありようとして、NOOKが仙台のTRACで行った展示「とある窓」のように、対象とするものを一つ決めて、皆が同じフォーマットでテキストや写真などを発表できるような取り組みを半年ほどかけて行ってはどうか、との提案が。一度そのような型を決めて活動した上で、自由に各々活動してもよいのでは、という話にまとまった。

この日は雑談中にも「話を聞く際に集中力を保てる時間は割と短い。聞きすぎずに、一回話を区切ることで再び会うための契機をつくることもできる」「偶発的、仮設的な環境だから聞けることもある」「聞いたことをどうするのか確約されていないと安心できない」「東京における旅人的な存在は難しい。一過性の交差が生まれにくい」など、「東京」で「話を聞く」ことにこの半年挑戦してきたからこそ生まれた言葉が、メンバーの口からいくつも出てきた。

Text=高橋創一 Photo=加藤甫

関連資料

1月27日オープンラボデイの報告メール
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差出人:小屋竜平

2019年2月2日(土)

件名:1月27日小屋デイの報告

かたつむりメンバーの皆様

こんばんは。小屋です。
報告が遅れてしまい申し訳ありませんが、前回のオープンラボについてです。
参加者は柳河加奈子さん、ヨネザワエリカさん、佐藤李青さん、高橋創一さん、小屋の5名でした。

いつものように、最初は最近の関心事についてなど話しながら、
後半は、いつも使っているテーブル兼ホワイトボードを立てるのではなく、
その周りを囲み、テーブルとしても使いながら、話してみました。
報告会で具体的にどのようなことを見せるのか?
聞いてきたことを語り直し、それに他のメンバーが自分の関心からさらに掘り下げていくプロセスの再現を見せるのか?
そのときにどのような空間の配置や構成にすればよいのか? 
など、報告会についても話してみたり、
とりとめのない話を聞くことと、その話を相手に話し直すときに現れる聞き癖についてや、二人で話を聞きそれを振り返るプロセスで出てきたことなど、
柳河さんと八木まどかさんが二人で聞いてきたことによって、
一人ではなく二人で聞くという方法についても話しました。

個人的には語りの中に出てきた「話を盛る」ということがどういうことなのか、という話が興味深かったです。
また、怒ること、叱ること、ヨネザワさんが最近鑑賞されたM・ナイト・シャマラン監督の新作『ミスター・ガラス』についてなど
各々の関心のトピックについても色々と触れることができたのではないかと思います。

それでは、今回も長くなってしまいましたが、
また2月にお会い出来ることを楽しみにしております。

小屋竜平

第6回についてのお知らせメール
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差出人:佐藤李青

2019年2月13日(水)

件名:次回の時間について

かたつむりのみなさん

こんにちは、佐藤李青です。

東京大空襲・戦災資料センターから届いたレターで6月に早乙女勝元さんが館長を退任されることを知りました。
早乙女さん自身の(気骨ある)言葉でそのことを書かれている箇所を添付しますね(東京大空襲・戦災資料センター 戦災資料センター・ニュース No.34 https://tokyo-sensai.net/archives/category/director)。
なんだか時代の変わり目を感じます。

さて、今週末の活動日なのですが、いつも通りに13時から開始を予定しています。
毎回同様そこから19時くらいまでになるではないかと思っています。

今週末またお会いできることを楽しみにしております。
それでは、どうぞよろしくお願いします!

第6回についてのお知らせメール2
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差出人:佐藤李青

2019年2月15日(金)

件名:Re:次回の時間について

東京かたつむりのみなさま

急に連日のご連絡となりますが、失礼します。

今週末はこれまでを振り返ったり、
報告会の相談なども行う予定ですが
もし、あらかじめ欠席がわかっている方がいましたら
ご連絡いただけますとありがたいです。
ちょっとした企てがあり……。
(柳河さんはむずかしいと、既に伺っております)

それでは、日曜日にお会いできることを楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします!

追伸:
みなさまご存知かと思いますが、
2月頭に瀬尾夏美さんの著書がリリースされております。

あわいゆくころ

『あわいゆくころー陸前高田、震災後を生きる』、とてもいい書籍です。
たくさんサインを書いて上手くなっているらしいので、
持参する方がいれば一筆したためてくれるのではないでしょうか。
(とか勝手に言ってみます)
ではでは。

佐藤李青